香港
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香港でどこか1つ都市を選べといわれたら間違いなく湾仔だ。特に冬の湾仔はいい。湾仔は香港島中央部に位置する港町で、かつては水兵を相手にした風俗街とのイメージが強かったが、最近では官庁街、新しいオフィス街としてのイメージの方が強い。都会の猥雑さと、すがすがしさがこれだけ入り交じっている街は他には無い。Lockheart Rd というのが目抜き通りなのだが、中華定食屋はもちろんのこと、パブ、サウナ、ナイトクラブ、客引き、ダンサーのいるバー、あげくの果ては連れ込み宿まで、およそどこの都会にも、へばりついているようなものは一通り揃っている。そして英米のビジネスマンが多いためだろう英語のネオンが実に多く、また何故か不思議な清潔感がある。

湾仔警察署

Queen's Rd EastこのLockheart Rdを静まりかえった冬の早朝、湾仔から銅鑼湾まで歩くすがすがしさといったらない。とぼとぼ歩いているとさながらタクシー・ドライバーのデニーロに成りきってしまう。夜のうねるような喧騒など跡形もなく、しんとしたアスファルトの道を歩いていると香港に来て久々に深呼吸をしようとする気になってくる。その後タクシーをかっとばし湾仔の最も海側にそびえ立つグランドハイアットのビュッフェを食べていると、自分の体の半分はこの現実感の無いホテルで世界最高の朝飯を食っていて、体のもう半分はくたびれ果てたゴミの散らばる路を依然歩き続けているという不思議なトリップ経験が間違いなくできる。そのためにHK$180という法外な朝食料金は決して高くない。